【民事訴訟】弁護士費用を相手方に請求できるか(訴訟費用)

2017-03-24

訴状の請求の趣旨に「訴訟費用を被告の負担とする」と書いてあるので,相手方に弁護士費用を負担させることができるのかと質問されたり,逆に相手方の弁護士費用を負担しなければならないのかと質問されたりすることがよくありますが,弁護士費用は各自が負担しなければなりません。

 

「訴訟費用」は,訴え提起の際に裁判所に納める収入印紙代などの手数料,裁判所が書類を送付・送達するための費用など訴訟において要した費用のことであり,弁護士費用は含まれません。

 

また,弁護士費用を敗訴者に負担させるという敗訴者負担制度をつくるべきではないかという議論もありますが,現在のところ採用されていません。

日本では,弁護士に依頼せず,本人で訴訟を追行することができ,弁護士に依頼するかどうかは当事者本人の自由ですので,弁護士費用は,弁護士に依頼した人が負担することになります。

 

したがって,勝訴しても相手方に弁護士費用を負担させることはできませんし,敗訴しても相手方の弁護士費用を負担しなければならないわけではありません。

 

ただし,交通事故などの不法行為に基づく損害賠償請求では,被害者は,一定範囲で弁護士費用の損害として加害者に賠償請求することができますので,その限りでは弁護士費用を相手方に負担させることができます。

 

ページの上部へ戻る

Copyright(c) 2016 ながせ法律事務所 All Rights Reserved.