【交通事故】傷害慰謝料(入通院慰謝料)

2018-01-12

交通事故で傷害を負った場合の主な損害としては,①積極損害(治療関係費,文書料その他の費用等),②休業損害,③傷害慰謝料(入通院慰謝料)がありますが,ここでは傷害慰謝料(入通院慰謝料)について説明します。

 

一 傷害慰謝料(入通院慰謝料)とは

傷害慰謝料は,受傷したことによる肉体的・精神的な苦痛や,治療のために入通院したことによる精神的苦痛に対する慰謝料です。
傷害慰謝料の金額は基本的に入通院期間を基準に決まりますので,入通院慰謝料ともいいます。

 

二 自賠責保険基準

慰謝料は,1日につき4200円とされています。
慰謝料の対象となる日数は,被害者の傷害の態様,実治療日数その他を勘案して,治療期間の範囲内とされています。
基本的には,入院期間を含む実治療日数の2倍の日数(ただし,治療期間の範囲内)が対象日数となります。

 

三 裁判基準

裁判基準でも,基本的に入通院期間を基礎として慰謝料額が決まります。

赤い本の基準では,傷害の内容により別表Ⅰまたは別表Ⅱを使用し,各表の入通院期間に該当する金額が慰謝料の基準額となります。

別表Ⅰは通常の場合(別表Ⅱ以外の場合)です。
基本的に実際に入通院した期間を用いますが,被害者側の事情で入院期間を短縮した場合には慰謝料を増額したり,入院待機中や自宅療養の場合も入院期間とみることがありますし,通院が長期にわたる場合には症状,治療内容,通院頻度をふまえ,実通院日数を基に通院期間が修正されることがあります。また,傷害の部位・程度によって,慰謝料額が増額されることがあります。

別表Ⅱはむち打ち症で他覚的所見がない場合や軽い打撲や軽い挫創(傷)の場合です。
別表Ⅱの場合は別表Ⅰの場合より金額が低くなっています。別表Ⅱの場合も,通院が長期にわたるときには症状,治療内容,通院頻度をふまえ,実通院日数を基に通院期間が修正されることがあります。

 

 

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