【交通事故】交通費

2022-12-06

交通事故被害者が通院等で交通費を負担した場合には、交通費が損害となります。

 

一 通院交通費

1 通院交通費とは

交通事故被害者が、入院、退院、転院、通院した場合の交通費は損害にあたります。

 

原則として実費が損害となりますが、どのような交通手段を利用した場合でも全額が損害と認められるわけではなく、相当性のある範囲で損害となります。

 

2 交通手段

電車やバス等の公共交通機関を利用した場合には、電車代やバス代等が損害となります。「運賃×2(往復)×通院日数」で計算します。

 

自家用車を利用した場合にはガソリン代や高速道路代・有料道路代、駐車場代が損害となります。ガソリン代については正確な金額を算定することが困難ですので、1kmあたり15円で計算することが多いです。

 

タクシーを利用した場合には、怪我の内容や程度等具体的な事情のもと相当性があるときはタクシー代が損害となりますが、相当性がないときは公共交通機関の料金の範囲で損害となります。

 

3 通院交通費を請求するための資料

通院交通費を請求するため、いつ、どのような交通手段を利用したのか記録に残しておくことが必要です。また、タクシー等、領収証が取れるものについては領収証を取っておくことが必要です。

 

自賠責保険に被害者請求する場合や任意保険会社に請求する場合には、通院交通費明細書を作成する必要があります。

公共交通機関やタクシーを利用した場合は、日付、区間、運賃等を記載します。電車代、バス代については領収証の添付は不要ですが、タクシー代については領収証の添付が必要です。

自家用車を利用した場合には、日付、区間、距離等を記載します。ガソリン代については領収証の添付は必要ありませんが、駐車場代、高速道路代・有料道路代については領収証等の添付が必要となります。

 

4 将来の通院交通費

治療終了日(症状固定日)後に通院した場合の交通費については損害とならないのが原則です。

もっとも、症状の内容や程度等によっては、治療終了日(症状固定日)後の治療費が損害となることがあり、その場合には交通費も損害となりえます。

 

二 通院交通費以外の交通費

1 近親者の付添や見舞の交通費

近親者の付添や見舞の交通費についても事故と相当因果関係があれば損害となりますが、付添費や入院雑費に含まれるものとして扱われ、別途、損害とは認められないことがあります。

近親者が遠隔地から付添や見舞に来た場合には交通費が高額となりますので、交通費が損害と認められるか問題となります。

 

2 通勤、通学等の交通費

被害者が通勤や通学をした場合の交通費等、通院以外の交通費についても、事故と相当因果関係があれば損害となります。

怪我のためタクシーで通勤した場合等、事故により通常とは異なる交通手段を利用することになった場合に交通費が損害と認められるか問題となります。

 

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