【離婚】離婚届の不受理申出制度
2015-04-21
1 事例
先日,夫とケンカをしてしまい,勢いで離婚届にサインをしてしまいました。
あとで冷静になって考えてみると,やはり離婚はしたくありません。
夫は離婚届をまだ役所に出していないようですが,どうしたらいいでしょうか。
2 不受理申出をします。
協議離婚の有効要件として,①法律婚を解消しようとする意思(離婚意思)の合致,②離婚の届出が要求されております。
離婚意思は届出の時点に存在することが必要であるため,離婚届を書いた後で離婚意思がなくなった場合には,届出の時点で離婚意思を欠いていることになりますから,離婚は無効となります。
しかし,離婚意思を欠いていたとしても,離婚届が役所に提出されてしまうと,離婚届は受理され,戸籍に離婚した旨記載されてしまいます。
戸籍から離婚の記載を抹消するためには,離婚無効確認の判決又は審判が必要となります。
これは大変な労力が必要となりますし,そもそも離婚無効が認められるかどうかも分かりませんので,届出がなされる前に対応することが必要となります。
このような場合に利用できる制度として,不受理申出制度があります。
本籍地又は住所地の市区町村役場に離婚届の不受理申出書を提出しておけば,相手が離婚届を提出しようとしても,離婚届は受理されません。
なお,従前は不受理届の有効期間が6カ月となっていましたが,現在では期間制限がありませんので,一度,不受理届を出しておけば,取り下げない限り離婚届が受理されることはありません。
←「【労働問題】労働審判手続」前の記事へ 次の記事へ「【離婚】協議離婚無効確認」→