【交通事故】物損 評価損

2023-10-17

交通事故被害にあい、事故車両を修理した場合、評価損が認められるか争いとなることがあります。

 

一 評価損とは

評価損とは、車両を修理した場合に事故前よりも車両の価値が下落したことです。

 

評価損には、技術上の評価損(修理しても技術上の限界から機能や外観に欠陥が残る場合)と取引上の評価損(事故歴があることにより取引上の価格が低下する場合)があります。

 

二 評価損の請求権者

評価損を請求できるのは、原則として車両の所有者です。

 

ローン会社に所有権留保されている車両の買主やリース車両のユーザーは、車両の所有者でないことから、評価損を請求できるか争いとなります。

 

三 評価損が認められる場合

修理後、機能や外観に欠陥が残る場合(技術上の評価損)には評価損は認められやすいですが、機能や外観に問題はないけれども事故歴があることにより交換価値が低下する場合(取引上の評価損)は評価損が認められるか争いとなることが多いです。

 

取引上の評価損が認められるかどうかは、車種、初度登録からの年数、走行距離、損傷部位等の事情を総合考慮して判断されます。

外国産、国産の人気車種の場合、初度登録からの年数や走行距離が短い場合、損傷部位が中古車販売業者に表示義務がある部位の場合には、評価損が認められやすくなります。

 

四 損害額

評価損の損害額の算定方法については、事故前の車両の時価と修理後の車両の時価の差額を損害額とする方法、車両の時価の一定割合を損害額とする方法、修理費の一定割合を損害額とする方法、諸要素を考慮して損害額を定める方法があります。

 

損害額算定にあたっては、事故減価額証明書が参考となりますが、事故減価額証明書の金額がそのまま損害と認められるとは限りません。

 

裁判では、修理費の一定割合を損害額とすることが多いです。割合については、車種、初度登録からの年数、走行距離、損傷部位等の事情が考慮されます。損害額を修理費の1割から3割程度とされることが多いですが、事案によっては、修理費の3割を超える額が損害と認められることがあります。

 

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