【交通事故】埼玉県で自転車保険加入が義務となりました。
自転車事故には自動車事故の自賠責保険のような強制保険がありませんが,いくつかの自治体では自転車保険の加入が義務とされております。
埼玉県でも「埼玉県自転車の安全な利用の促進に関する条例」が改正され,平成30年4月1日より自転車損害保険等(自転車の利用によって他人の生命または身体を害した場合の損害を填補するための保険または共済)への加入が義務化されました。
埼玉県の条例では,自転車の利用者(未成年者の場合には保護者),事業者,自転車の貸付業者は自転車保険等に加入することが義務付けられました(11条)。
また,自転車の小売業者は自転車購入者に対し,学校は児童や生徒に対し,それぞれ自転車保険等の加入の有無を確認することや,未加入時には自転車保険等に関する情報を提供することが努力義務とされました(12条)。
加入義務に違反しても罰則があるわけではありませんが,義務化されたことで,今後は自転車事故の損害賠償について保険で対処されることが増えるものと思われます。
自転車保険等には,自転車向けの保険のほか,個人賠償責任保険(個人の日常生活において損害賠償責任を負った場合の保険)やTSマーク付帯保険等がありますし,事業者については施設所有者賠償責任保険があります。個人賠償責任保険は,自動車保険,火災保険,傷害保険等の特約として付いている場合が多いので,契約内容をよく確認しましょう。
自転車保険等は自動車保険ほど補償が充実しているわけではありませんが,保険料が安いですし,万一,事故が起こったときには非常に心強いので,義務化されているか否かにかかわらず,加入しておいたほうがよいでしょう。
また,加入するにあたっては,自転車事故でも損害が高額になることがありますので,限度額が高い保険に加入したほうがよいですし,示談代行特約のある保険であれば,保険会社が被害者との交渉を代行してくれますので,示談代行特約のある保険にしたほうがよいでしょう。