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【親子問題】親子関係不存在確認の訴え・調停

2018-06-20

嫡出子(婚姻関係にある夫婦から生まれた子)について,DNA鑑定等で父子関係がないことが明らかになった場合,父子関係がないことを争うにはどうすればよいでしょうか。
推定される嫡出子の場合には嫡出否認の訴えや調停がありますが,推定されない嫡出子や推定の及ばない子の場合には親子関係不存在確認の訴えや調停があります。

一 親子関係不存在確認の訴え

1 親子関係不存在確認の訴えとは

親子関係不存在確認の訴えとは,法律上の親子関係が存在しないことについて争いがある場合に,その確認を求める訴えのことです。

法律上の実親子関係の存否を争う方法として,①推定を受ける嫡出子について父子関係が存在しないことを争う場合は,嫡出否認の訴え,②嫡出推定が重複する場合は,父を定めることを目的とする訴え,③非嫡出子について父子関係が存在することを争う場合は,認知の訴え,④非嫡出子について父子関係が存在しないことを争う場合は,認知無効の訴えや認知取消しの訴えがありますが,⑤それ以外の場合については,実親子関係の存否の確認の訴え(親子関係存在確認の訴え,親子関係不存在確認の訴え)があります。

 

2 親子関係不存在確認の訴えができる場合

(1)推定されない嫡出子

婚姻成立の日から200日を経過した後または婚姻の解消・取消しの日から300日以内に生まれた子は,婚姻中に懐胎したものと推定され,夫の子と推定されます(民法772条)。
嫡出が推定される場合には,子の身分関係の法的安定性を保持する必要性があるため,実親子関係が存在しないことを争うには嫡出否認の訴えによらなければならず,親子関係不存在確認の訴えをすることはできないと解されています。
これに対し,婚姻成立の日から200日以内,婚姻の解消・取消しの日から300日経過後に出生した子については,嫡出推定されませんので,父子関係を争うため,親子関係不存在確認の訴えを提起することができます。

なお,婚姻の解消・取消し後300日以内に子が出生した場合であっても,医師が作成した「懐胎時期に関する証明書」で,推定される懐胎時期の最も早い日が婚姻の解消・取消しの日より後の日であれば,婚姻の解消・取消し後に懐胎したものと認められ,民法772条の推定が及ばなくなります。その場合,懐胎時期に関する証明書を添付して母の非嫡出子または後婚の夫の嫡出子とする届出ができます。

 

(2)推定の及ばない子

民法772条2項の期間内に子が出生した場合であっても,妻が子を懐胎した時期に既に夫婦が事実上の離婚をした等の事情があり,妻が夫の子を懐胎し得ないことが外観上明白なときは,推定が及びませんので,嫡出否認の訴えではなく,親子関係不存在確認の訴えにより父子関係を争うことができます。

 

(3)他人夫婦の嫡出子として届け出た場合

他人夫婦の嫡出子として届け出た場合,子と戸籍上の父母との親子関係が存在しないことを争うため,親子関係不存在確認の訴えを提起することができます。

 

3 当事者

嫡出否認の訴えは基本的に夫しかできませんが(民法774条),親子関係不存在確認の訴えは,夫だけでなく,子や妻,その他の第三者も提起できます。

 

4 出訴期間

嫡出否認の訴えは,夫が子の出生を知ったときから1年以内に提起しなければなりませんが(民法777条),親子関係不存在確認の訴えには出訴期間の制限がありません。
ただし,子が生まれてから長期間経過後に訴え提起された場合には権利の濫用と判断される可能性があります。

 

5 認容判決が確定した場合の効果

親子関係不存在確認の訴えの認容判決が確定した場合には,親子関係が存在しないことが確定します。
戸籍の訂正が必要な場合には,判決確定の日から1か月以内に戸籍の訂正の申請をします(戸籍法116条1項)。

 

6 生物学上の父子関係はないが,嫡出の推定を受ける場合

民法772条の期間内に子が出生した場合であっても,DNA鑑定等により生物学上の父子関係がないことが判明したときには嫡出推定が及ばないものとして,親子関係不存在確認の訴えができないかという問題があります。

この点について,最高裁判所平成26年7月17日判決があります。この判決では,
①夫と子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,夫と妻が既に離婚して別居し,子が親権者である妻の下で監護されているという事情があっても,子の身分関係の法的安定を保持する必要が当然になくなるものではないから,嫡出の推定が及ばなくなるものとはいえず,親子関係不存在確認の訴えにより争うことはできない
②民法772条,774条から778条の規定は,法律上の父子関係と生物学上の父子関係の不一致が生じることを容認している
③民法772条2項の期間内に妻が出産した子について,妻がその子を懐胎すべき時期に,既に夫婦関係が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ,又は遠隔地に居住して,夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合には,実質的には同条の推定を受けない嫡出子に当たり,親子関係不存在確認の訴えにより父子関係の存否を争うことができるが,本件ではそのような事情がないので,親子関係不存在確認の訴えは不適法であると判断されました。

また,これとは別に同日出された判決でも,「夫と子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,子が夫の下で監護されておらず,妻及び生物学上の父の下で順調に成長しているという事情」がある場合について,同様の判断がなされました。

そのため,民法772条の期間内に子が出生した場合,DNA鑑定等により生物学上の父子関係が存在しなかったとしても,それだけでは嫡出の推定が及ばなくなるわけではありませんので,父子関係が存在しないことを争うには,嫡出否認の訴えによらなければならず,親子関係不存在確認の訴えを提起することはできません。

 

二 親子関係不存在確認調停

1 調停前置主義

人事訴訟事件については調停前置主義が採用されているため(家事事件手続法257条1項),親子関係不存在確認の訴えを提起する前に調停を申し立てなければなりません。

 

2 合意に相当する審判

親子関係不存在確認調停事件については,公益性が強く,当事者の意思だけで解決することはできませんが,当事者に争いがない場合には,簡易な手続で処理することが望ましいといえます。
そのため,まず調停手続を行い,当事者間に申立ての趣旨のとおりの審判を受けることについて合意が成立し,原因事実について争いがない場合には,家庭裁判所は,事実の調査をした上,合意が正当と認めるときに,合意に相当する審判をします(家事事件手続法277条1項)。
調停不成立の場合や,合意に相当する審判による解決ができなかった場合には,親子関係不存在確認の訴えを提起して,解決を図ることができます。

【示談交渉】訴訟提起前に示談交渉をする理由

2017-06-02

法的な紛争が起こり,弁護士に依頼した場合,弁護士は,示談交渉に適しない事案でなければ,いきなり訴訟提起するのではなく,まずは示談交渉から始めることを勧めるのが通常です。

 

1 早期解決の可能性

示談交渉で解決することができれば,通常は,訴訟をするよりも早く解決できますし,費用も安くすみますので,できることなら訴訟提起をせず,示談交渉で解決したほうがよいでしょう。

 

紛争の当事者は感情的になってしまい直接交渉することは難しい場合が多いですが,紛争の当事者ではない弁護士であれば,感情的にならず,冷静に相手方と交渉することが期待できます。

また,弁護士は,法的な根拠があるかどうか,訴訟になったらどの程度請求が認められるか検討した上で交渉するのが通常であるため,妥当な落ち着きどころを見い出し,解決することが期待できます。

そのため,当事者間で直接交渉して解決できない場合であっても,弁護士が交渉することで解決できる可能性はあります。

 

2 相手方への配慮

交渉もせず,いきなり訴訟提起をすると,相手方を怒らせることがあります。

相手方の感情を害すると,訴訟で不必要に争われる,和解ができなくなる等の弊害が生じるおそれがあります。

紛争になっている以上,お互い相手に良い感情はもっていないでしょうが,紛争を解決するためには,不必要に相手方の感情を害さないよう配慮はすべきです。

そのため,示談交渉に適しない事案でない限りは,相手方への礼儀として,相手方に交渉で解決する機会を与え,交渉がまとまらなかったので,やむを得ず訴訟提起したというように手順を踏んでおいたほうが無難です。

 

3 訴訟の準備活動

事前に示談交渉をしておくことは,訴訟の準備活動としても意味があります。

 

弁護士は,依頼を受けた時点では,依頼者から話を聞き,依頼者が持っている資料を見てはいますが,相手方から話を聞いていませんし,相手方がどのような証拠を持っているか分かりませんので,事案の全体について把握できているわけではありません。

相手方の主張や証拠を見てみたら,依頼者から聞いていた話と違うということが少なくありません。

訴訟提起後に相手方の主張や証拠を見てから,主張を変えることは裁判所の心証がよくないでしょうし,かといって訴えを取り下げて訴訟をやり直すことは困難です(被告が本案について準備書面を提出し,弁論準備手続において申述をし,または口頭弁論をした後は,被告の同意を得なければ,訴えの取り下げはできません。民事訴訟法261条2項本文)。

訴訟提起前に相手方と交渉し,相手方がどのような主張をしているか把握しておけば,訴訟でどのような主張・立証をすればよいか対策を講ずることができ,訴訟提起後に主張が崩れるリスクを減らすことができます。

 

なお,示談交渉で相手方に送った書面は訴訟で証拠となりますので,不利な証拠にならないよう書面の記載には注意しましょう。例えば,訴訟での主張と矛盾していることを交渉段階で述べていた場合には訴訟での主張の信用性に影響しますので,交渉段階では不確実なことは記載しない,必要なこと以外は記載しないといった配慮が必要となります。

 

弁護士との法律相談を充実したものにするために

2017-05-30

法律相談では,弁護士は,お客様からのお話やお持ちいただいた資料をもとに,①事案を整理して,②どのような法律上の問題点があり,③どのように対応すればよいかアドバイスします。

弁護士と法律相談を充実したものにするためには,以下の点に注意しましょう。

 

1 資料を準備する

法律相談では,弁護士は相談者から話しを聞いたり,相談者が持参した資料をみたりした上で,法的なアドバイスをします。

事実経過についてメモしたものや契約書等の資料を法律相談の場に持参していただければ,弁護士は事案を正確に把握することができ,より的確なアドバイスをすることができます。

何の資料も用意せず,抽象的な話しかできなかった場合には,弁護士は,一般論でのアドバイスしかできなかったり,どういった事案か理解できず,正確なアドバイスができなかったりすることがあります。

 

また,法律相談の時間が限られている場合,弁護士に事案を説明するだけで法律相談の時間が終わってしまうこともありますし,有料法律相談の場合には時間が長くなれば相談料も増えてしまいますので,資料を用意して説明の時間を短縮することは,時間や費用の点でも意味があります。

 

2 できる限り正確に事実を伝える

弁護士は,相談者から聞いた話をもとにアドバイスします。相談者から聞いた事実が正確でない場合には,弁護士のアドバイスも不正確になるおそれがありますので,できる限り正確に事実をお伝えください。

不利な事実がある場合,その事実を弁護士に伝えるべきかどうか悩まれるかもしれませんが,不利な事実を隠して不正確なアドバイスを受けても,相談者にとって意味はないでしょう。不利な事実があっても,対応の仕方によっては何とかなる場合がありますので対応を誤らないようにするためにも,弁護士には,有利な事実だけでなく,不利な事実も伝えたほうがよいです。

また,恥ずかしい等の理由で話しにくいこともあるかもしれませんが,弁護士は,職業柄,人には話しにくいことを聞くことに慣れておりますし,守秘義務を負いますので,安心して話してください。

 

3 法律相談の時間は十分にとる

最近は,30分以内であれば法律相談料は無料とする法律事務所が増えています。

手続の説明を受けるだけの場合やシンプルな事案であれば30分以内の法律相談でも足りるかもしれません。

しかし,多少なりとも事案が複雑な場合には,相談者の話を聞いているだけで法律相談が終わってしまうことがありますし,一般的なアドバイスしかしてもらえず,事案に即した具体的なアドバイスがもらえないことがあります。また,一見すると難しい事案であっても,相談者から時間をかけて話を聴けば,いい解決法が見えてくるくることがあるかもしれません。

細かいことは弁護士に依頼してから話せばよいので,法律相談の時間を短くして法律相談料を安くしたいという考えもあるかもしれませんが,検討が不十分な段階で依頼をしてしまうと,後で思っていたのと違うということもあります。弁護士に依頼しようと考えている場合であっても,十分な時間法律相談を受けて,納得してから依頼したほうがよいでしょう。

 

また,資料が足りない場合や法律や判例の調査が必要な場合には法律相談が1回では終わらず,相談者に資料を用意してもらったり,弁護士が法律や判例を調査したりしてから再度,法律相談を行うこともあります。

 

4 当事者本人が法律相談に行く

当事者本人ではなく,家族等本人以外の方が法律相談に来られることもありますが,本人でなければ分からないことが多いですし,本人が何を望んでいるのかよく分からないため,適切なアドバイスができないことがあります。

例えば,子の離婚問題について親が心配して法律相談に来ることがありますが,離婚原因や夫婦の財産が実際のところどうなのかは当事者本人でなければ分からないですし,親が離婚を望んでいても,本人が離婚を望んでいないこともありますので,本人から話をきかなければどうにもなりません。

やむを得ない場合もあるでしょうが,できる限り当事者本人が法律相談に行ったほうがよいです。

 

【債権回収】貸金返還請求事件

2017-05-12

「お金を貸したのに返してくれない。返してもらいたけれども,どうすればよいか。」

 

貸主が借主に対し貸金の返還を求めることを貸金返還請求といいます。貸金返還請求事件では,どのようなことが問題となるのでしょうか。

 

一 貸金返還請求権

1 消費貸借契約

貸金返還請求権は,金銭の消費貸借契約に基づきます。

消費貸借契約は,当事者の一方が種類,品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって効力を生ずる要物契約であり(民法587条),①当事者間で金銭の返還の合意をしたこと(返還約束),②金銭を交付したことが契約成立の要件となります。

 

また,売買代金債務等貸金債務以外の債務を当事者の合意で金銭消費貸借債務に改めることもできます(民法588条)。これを準消費貸借契約といいます。

 

2 貸主は,いつ借主に貸金返還請求ができるのか

(1)返還時期の合意

金銭消費貸借契約が成立していても,いつでも貸金返還請求ができるというわけではありません。

当事者間で返還時期を合意した場合には,合意した返還時期が到来しなければ貸金返還請求はできません。

(2)返還時期の合意をしなかった場合

当事者が返還時期について合意をしなかった場合には,貸主は,相当の期間を定めて返還の催告をすることができ(民法591条1項),その期間が経過しなければ借主に返還請求することはできません。

なお,条文では「相当の期間を定めて返還の催告」となっていますが,相当の期間を定めないで催告した場合であっても,相当期間が経過すれば,貸主は借主に返還請求することができると解されております。

(3)分割返済の合意をした場合

「毎月〇万円ずつ返済する」といったように当事者が分割返済の合意をした場合,借主が分割金の支払を滞らせても,貸主は返還時期が到来した分についてしか返還請求ができないのが原則です。

もっとも,期限の利益喪失条項(借主が分割弁済を怠ったときは,期限の利益を失い,残額につき弁済期が経過したものとする旨の合意)があれば,借主が分割弁済を怠ったときに,貸主は残額全部について借主に返還請求ができるようになります。

貸主としては,分割返済の合意をする場合には期限の利益喪失条項をいれることを忘れないようにしましょう。

 

3 利息

(1)利息の支払を請求できる場合

当事者間で利息支払の合意をした場合や,商人間で金銭の消費貸借をした場合(商法513条1項)には,貸主は借主に利息の支払を請求することができます。

(2)利率

利率については,合意があればそれによりますが(利息制限法による制限があります。),合意がない場合は民事法定利率の年5分(民法404条)または商事法定利率の年6分(商法514条)となります。

(3)利息が生じる期間

利息の生じる期間は,契約成立日から弁済期までです。

 

4 遅延損害金

弁済期を経過しても借主が返還しない場合には,貸主は借主に遅延損害金の支払を請求することができます。

遅延損害金の額は,法定利率によって定められますが,約定利率が法定利率を上回るときは約定利率によって定められます(民法419条1項)。

 

二 貸金返還請求をするにあたって検討すべきこと

1 借主が争ってきている場合

貸金返還請求をした場合,借主が,金銭を受け取っていない,受け取ったけれでも貰ったものだ等と主張して契約の成立を争ってくることがあります。

金銭消費貸借契約書や借用書がある場合には,契約の成立が争いになることはあまりないでしょうが,契約書や借用書がない場合には,どうやって契約の成立を立証するか問題となります。

また,借主が,契約書等があっても公序良俗違反,錯誤,詐欺,脅迫等の抗弁を主張して契約の効力を争ったり,弁済,相殺,消滅時効等の抗弁を主張して債務は消滅したと争ってくることもあります。

借主が争ってきている場合,貸主は,借主の主張を検討し,対応を検討する必要があります。

 

2 回収可能性

貸金返還請求事件では,借主が支払能力がないと主張してくることがよくあります(いわゆる無資力の抗弁です。)。

借主が支払能力がないと主張してきている場合,本当に資力がないのか,支払いたくないのでそのような主張をしているだけなのか見極める必要があります。

安易に減額に応じるべきではありませんが,勝訴しても回収できないこともありますので,回収可能性を考慮して,ある程度譲歩し,借主が返済可能な条件で和解したほうが良い場合もあります。この点については判断が難しいところです。

 

3 どのような手続をとるか

交渉で解決できない場合には,法的手続をとることになりますが,支払督促,少額訴訟,民事訴訟,民事保全,民事執行等様々な手続があり,どの手続をとるのか検討が必要となります。

借主が争ってくる可能性や債権の回収可能性(差押え可能な財産の有無等)を考慮して,手続を選択する必要があります。

 

三 トラブルになるリスクを減らすにはどうすればよいか

1 金銭消費貸借契約書・借用書の作成

金銭消費貸借契約書・借用書を作成しておけば,契約の成立や内容で争われる可能性が低くなりますし,執行認諾文言付きの公正証書にしておけば,訴訟等をせずに強制執行ができます。

また,分割返済の合意をする場合には,期限の利益喪失条項を入れておきましょう。

 

2 担保をとること

お金を貸す場合には,抵当権等の物的担保や連帯保証人等の人的担保をとっておきましょう。

担保をとっておけば,回収不能のリスクを減らすことができます。

 

四 まとめ

お金がないから,お金を借りるのが通常ですから,貸金返還請求事件では,借主に返済できる資力があるかどうかが大きな問題となります。

そのため,請求が認められるかどうかということだけでなく,債権回収ができるかどうかということも考えなければなりません。

トラブルになった場合には,弁護士に相談や依頼をすることをおすすめします。

【損害賠償請求】使用者責任

2017-04-25

ある会社の従業員が勤務中に交通事故を起こした場合,被害者は,直接の加害者である従業員だけでなく,その使用者である会社に対しても使用者責任を追及して損害賠償請求をすることができます。

 

一 民法715条の使用者責任

民法715条1項は「ある事業のために他人を使用する者は,被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし,使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき,又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは,この限りでない。」と規定しております。この使用者が負う責任のことを使用者責任といいます。

使用者責任については,選任・監督上のミスをした使用者の自己責任であり,立証責任を転換して,使用者に免責事由があることの立証責任を負わせる中間責任であるとする見解もありますが,一般的には,報償責任(利益を得る者は損失も負う)または危険責任(危険を支配する者は責任も負う)に基づくものであり,使用者が被用者に代わって責任を負う代位責任であると解されております。

 

二 要件

1 使用関係(事業のため他人を使用)

「事業のために他人を使用」している関係が必要です。

使用関係があるかどうかは,実質的な指揮監督関係があるかどうかで判断されます。

使用関係がある場合としては,雇用契約がある場合が典型ですが,実質的な指揮監督関係がある場合であれば,請負契約(元請人と下請人)や委任契約でも使用関係があると判断されます。

被害者保護の観点から使用関係の要件は広く解されており,実質的な指揮監督関係があれば,一時的な関係でも,営利性がなくても,違法な関係でも,契約関係がなくてもかまいません。

 

2 業務執行性

被用者の行為は「事業の執行について」なされたものでなければなりません。

(1)外形理論(外形標準理論)

「業務の執行について」なされたといえるかどうかは,使用者の事業の範囲に属し,被用者の職務の範囲内であるかで判断されますが,被用者の職務の範囲に属しないものであっても,行為の外形から観察して,被用者の職務の範囲内であるとみられる場合には事業の執行につきなされたものと判断されます(外形理論・外形標準説)。

外形理論(外形標準理論)は,被害者の外形に対する信頼を保護するものですから,被害者が被用者の職務の範囲内に属しないことを知っていた場合(悪意)や重大な過失により知らなかった場合(重過失)には,被害者の信頼を保護する必要はありませんので,「事業の執行について」なされた行為にはあたらないと解されております。

例えば,被用者から取引を持ちかけられて金銭を騙し取られた場合(取引的不法行為),被害者が,被用者の職務の範囲内だと思っていた場合には,重過失がない限り,「事業の執行について」なされたと判断されます。

 

(2)事実的不法行為の場合

交通事故や暴力行為等,事実行為による不法行為のことを,事実的不法行為といいます。

事実的不法行為の場合にも,外形理論(外形標準理論)で判断する判例はありますが,取引的不法行為の場合とは異なり,被害者が外形を信頼したかどうか問題とならず,外形理論(外形標準理論)が基準として適当ではないことがあります。

そのような場合には,加害行為が,使用者の支配領域内の危険に由来するものであるかどうか(被用者が交通事故を起こした場合),使用者の事業の執行行為を契機とし,これと密接な関連性を有するかどうか(被用者が暴力行為をした場合)といった基準で,「業務の執行について」なされたといえるか判断されます。

 

3 被用者の不法行為

使用者責任は,代位責任であると解されておりますし,使用者は被用者に求償することができるので(民法715条3項),被用者が不法行為責任を負うことが前提となっております。

そのため,被用者について不法行為の要件を満たすことが必要となります。

 

4 免責事由の不存在

使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき,又は相当の注意をしても損害が生ずべきときは使用者は責任を免れます(民法715条1項但書)。

免責事由が存在することは,責任を免れる側である使用者が立証しなければなりませんが,使用者責任は無過失責任に近いものと考えられているため,免責事由の存在は容易には認められません。

 

三 使用者の責任

1 不真正連帯債務

使用者責任の要件を満たす場合,使用者は,被害者に対し損害賠償義務を負いますが,被用者も民法709条により不法行為責任を負います。

使用者の責任と被用者の責任は,不真正連帯債務の関係にあたると解されており,被害者は,使用者と被用者のどちらに対しても,全額について損害賠償請求をすることができますが,一方が支払った場合,他方はその限度で責任を免れます。

 

2 求償

使用者が被害者に対し損害賠償義務を履行した場合,使用者は被用者に対し求償権を行使することができますが(民法715条3項),損害の公平な分担の見地から,信義則上,使用者の求償権の行使が制限され,全額は求償できないことがあります。

逆に,被用者が被害者に対し損害賠償義務を履行した場合,被用者は使用者に対し求償すること(逆求償)ができるのかどうか問題となります。被用者が使用者に求償できるとする条文はありませんが,逆求償を認めた裁判例もあります。被用者が故意に不法行為をした場合は別として,過失の場合,被用者と使用者のどちらが先に損害賠償するかによって被用者の負担が異なるのはおかしいので,事案によって逆求償は認められるべきでしょう。

 

四 代理監督者の責任

民法715条2項は「使用者に代わって事業を監督する者も,前項の責任を負う。」と規定しており,使用者に代わって事業を監督する者(代理監督者)も民法715条1項の責任を負います。

代理監督者は,客観的にみて,使用者に代わって現実に被用者を選任・監督する地位にある者のことをいい,肩書だけで判断されるわけではありません。

例えば,法人である使用者の代表取締役の場合,代表取締役という肩書があるだけでは代理監督者にはあたりませんが,現実に被用者の選任・監督をしていた場合には,代理監督者にあたります。

 

五 まとめ

直接の加害者に賠償能力がない場合であっても,使用者責任を追及することができる場合には,被害者は,加害者の使用者から損害賠償を受けることができますので,直接の加害者だけでなく,使用者に責任を追及することができる事案かどうか確認しましょう。

また,使用者からすれば,被用者が不法行為をした場合には,使用者自身も責任を追及されるおそれがありますので,被用者が問題を起こさないよう選任や監督に注意すべきですし,保険に入る等の対応をすべきでしょう。

家事事件の手続の流れと分類

2016-11-29

家事事件の手続には,調停,審判,訴訟がありますが,事件の種類によって,とられる手続に違いがあります。

どのような手続をとるのかによって,対応の仕方が違ってきますので,どの事件について,どのような手続がとられるのか意識して対応する必要があります。

 

一 家事事件の手続

1 家事審判手続

家事審判手続は,家庭裁判所が本案について終局的な判断をする裁判ですが,裁判所が後見的に関与する非訟手続です。

家事審判手続には,家事審判の申立てまたは職権により手続が開始する場合と,調停から審判に移行して手続が開始する場合があります。

なお,家事審判には合意に相当する審判(家事事件手続法277条)や調停に代わる審判(家事事件手続法284条)のように調停手続の中で行われるものもあります。

 

2 家事調停手続

調停は,当事者の合意を基礎とする自主的な紛争解決手続であり,家庭に関する事件で家庭裁判所で手続をするものを家事調停といいます。

家事調停手続には,家事調停の申立てによって開始する場合と,審判手続または訴訟手続から調停手続に付されて開始する場合があります。

 

3 訴訟手続

家事事件の訴訟手続には,人事訴訟手続と民事訴訟手続があります。

(1)人事訴訟手続

人事訴訟は,婚姻の取消しの訴え,離婚の訴え,認知の訴え等,身分関係の形成または存否の確認を目的とする訴えに係る訴訟であり(人事訴訟法2条),家庭裁判所が管轄裁判所となります(人事訴訟法4条)。

人事訴訟手続では,弁論主義が制限され(人事訴訟法19条),職権探知主義がとられたり(人事訴訟法20条),判決が第三者に対しても効力を有する(対世効。人事訴訟法24条1項)等,民事訴訟手続とは様々な違いがあります。

(2)民事訴訟手続

不貞行為の慰謝料請求訴訟や,遺留分減殺請求,遺産の範囲の確認,遺言無効確認等の遺産分割に関連する訴訟は,民事訴訟であり,地方裁判所または簡易裁判所が管轄裁判所となります。

ただし,離婚の慰謝料請求のように人事訴訟と関連する損害賠償請求については,人事訴訟と併合して家庭裁判所で審理を行うこともできます(人事訴訟法8条,17条)。

 

二 家事事件の分類

家事事件を手続により分類すると,

Ⅰ 審判のみで,調停はしない事件(家事事件手続法別表第一の事件)

Ⅱ 調停をする事件

ⅰ 調停が不成立となると審判に移行する事件(家事事件手続法別表第二の事件)

ⅱ 人事訴訟を提起することができる事件

①合意に相当する審判をすることができる事件(特殊調停事件)

②それ以外の事件(離婚,離縁事件。一般調停事件)

ⅲ 民事訴訟を提起することができる事件(一般調停事件)

ⅳ 調停のみの事件(その他の家庭に関する事件。一般調停事件)

があります。

 

1 審判のみで調停はしない事件

成年後見,保佐,補助,任意後見,特別養子縁組の成立・離縁,相続放棄の申述受理,遺言書の検認等,家事事件手続法別表第一に掲げる事項についての事件は,公益性が比較的高く,当事者の意思で処分することができない権利や利益に関する事項についての事件であるため,当事者の意思(調停)ではなく,裁判所の判断(審判)で解決すべきであることから,審判手続のみ行い,調停手続は行いません。

そのため,別表第一に掲げる事項についての事件は,家事審判の申立てをして,審判手続を開始させ,審判により解決します。

 

2 調停をする事件

(1)調停が不成立になった場合に審判に移行する事件(家事事件手続法別表第二の事件)

婚姻費用分担,子の監護に関する処分,財産分与,親権者の指定・変更,遺産分割等,家事事件手続法別表第二に掲げる事項についての事件は,公益性が比較的低く,当事者の意思で処分することができる権利や利益に関する事項についての事件であるため,当事者の意思(調停)で解決することができます。

調停と審判どちらの手続をするか当事者が選択することができますが,当事者が家事審判の申立てをした場合,裁判所は調停に付すことができ(家事事件手続法274条),調停に付したときは,調停事件が終了するまで,審判手続を中止することができますので(家事事件手続法275条2項),まず調停をし,調停で解決を図るのが通常です。

調停が不成立となった場合には,審判手続に移行し(家事事件手続法272条4項),裁判所の審判で解決されます。

 

(2)人事訴訟を提起することができる事件

①合意に相当する審判をする事件(特殊調停事件)

人事訴訟とは,婚姻の取消しの訴え,離婚の訴え,認知の訴え等,身分関係の形成または存否の確認を目的とする訴えに係る訴訟をいいます(人事訴訟法2条)。

このうち,離婚,離縁を除く,人事訴訟をすることができる事項についての事件(婚姻の無効・取消し,離婚の無効・取消し,養子縁組の無効・取消し,離縁の無効・取消し,認知,認知の無効・取消し,嫡出否認,親子関係不存在確認等)については,公益性が強く,当事者の意思だけで解決することはできませんが,当事者に争いがない場合には,簡易な手続で処理することが望ましいといえます。

そのため,まず調停手続を行い(調停前置主義。家事事件手続法257条1項),当事者間に申立ての趣旨とおりの審判を受けることについて合意が成立し,原因事実について争いがない場合には,家庭裁判所は,事実の調査をした上,合意が正当と認めるときに,合意に相当する審判をします(家事事件手続法277条1項)。

調停不成立の場合や,合意に相当する審判による解決ができなかった場合には,当事者は,人事訴訟を提起して解決を図ることができます。

 

②離婚事件,離縁事件

離婚や離縁(特別養子縁組の離縁は除きます。)は当事者の意思ですることができるため,調停で離婚や離縁をすることができます。

そのため,まず調停による解決を図ります(調停前置主義。家事事件手続法257条)。

調停による解決ができず,調停が不成立となった場合,離婚や離縁をしたい当事者は,人事訴訟を提起して解決を図ることができます。

 

(3)民事訴訟を提起することができる事件

不貞行為の慰謝料請求事件や遺留分減殺請求事件等,民事訴訟を提起することができる事件であっても,家庭に関する事件については,まず調停による解決を図ります(調停前置主義。家事事件手続法257条)。

調停が不成立になった場合には,当事者は,地方裁判所または簡易裁判所に民事訴訟を提起して解決を図ることができます。

 

(4)調停のみの事件

夫婦関係調整(円満)調停事件等,当事者が任意の行為に期待するしかない事項を目的とする事件は,調停手続のみ行います。

調停が不成立になっても,審判に移行しませんし,訴訟を提起することはできません。

三 まとめ

以上のように,家事事件には,①審判だけで調停はしないもの,②調停が不成立になったら審判に移行するもの,③調停が不成立になっても,審判には移行しないが,人事訴訟や民事訴訟で解決を図ることができるもの,④調停しかできないものがあります。

①については,裁判所が申立てを認めるかどうかが問題となりますし,②や③については,調停が不成立になった場合に審判や訴訟になることを念頭に置いて調停に臨む必要がありますし,④については,調停が不成立になったら何もできないことを念頭に置いて調停に臨む必要があります。

【示談交渉】郵送する場合,郵便物を受け取った場合

2016-10-03

示談交渉の際,相手方に書面を郵送する場合や,相手方から郵便物を受け取った場合は,以下の点を注意しましょう。

 

一 相手方に書面を郵送する場合

相手方に書面を郵送する場合,プライバシー保護の観点から,相手方以外の人に中身が見られないよう,葉書ではなく,封書で送るのが原則です。あとで何を送ったか分からなくならないように,郵送した書面のコピーはとっておきましょう。

また,郵送の方法としては,普通郵便で送ることもありますが,後に裁判になった場合,相手方にどのような内容の書面を送ったのか証明しなければならないことがありますので,目的に応じて,郵便を使い分けます。

 

 

1 内容証明郵便

内容証明郵便は,誰が,誰に対し,いつ,どのような内容の書面を送ったのか証明する証拠となりますので,後で裁判となった時の証拠とするため,請求や主張を書面にまとめて,内容証明郵便で送ります。

また,時効の中断や契約の解除,遺留分減殺請求等,意思表示が相手方に到達したことが重要な事実となる場合には,配達証明付きの内容証明郵便を送ります。

 

なお,内容証明郵便を送る場合には以下の点を注意しましょう。

①内容証明郵便を送ると,相手方が心理的な圧力を受けることがあるため,穏やかに話を進めたい場合には,内容証明郵便ではなく,普通郵便で送ることも考えられます。

②内容証明郵便には,写真や図面等の資料を同封することはできませんので,資料を送る場合には,別途,普通郵便や書留で郵送することになります。

③相手方が内容証明郵便を受け取らない場合がありますので,内容証明郵便とあわせて,同様の書面を普通郵便または特定記録郵便で郵送することもあります。

 

2 書留郵便

書留は,手渡しされますので,相手方に対し,示談書や原本類等,重要な書類を郵送する場合には,書留で郵送します。

 

3 特定記録郵便

内容証明郵便や書留の場合,受取人が受け取らなければ,差出人に戻ってきますが,特定記録郵便の場合,郵便受けに入れるだけですので,受取人の関与がなくても,配達することができます。

また,特定記録により,配達された日時が記録されますので,郵便物が配達されたことを明らかにすることができます。

 

二 相手方から郵便物を受け取った場合

相手方から郵送された郵便物は,後で裁判になった場合の証拠となりますので,大事 にとっておくことが必要です。

その際,以下の点に注意しましょう。

 

1 原本に書き込みをしないこと

法律相談で,相談者の方から相手方から送られた書面を見せてもらった際,相手方から送られてきた書面(原本)に,相談者の方が反論等自分の主張の書き込みをしていたり,マーカーやアンダーラインを引いたりしていることが,時々あります。

しかし,相手方から送られてきた書面に書き込みをしてしまうと,誰が書いたのかわからなくなったり,元の書面の内容が分からなくなったりして,混乱や誤解を招くおそれがあります。

書き込みをする場合には,原本には書き込みをせず,書面のコピーをとって,コピーに書き込みをしましょう。

 

2 封筒は捨てないこと

相手方から送られてきた書面の封筒を捨ててしまわれる方がいますが,封筒は大切な証拠ですので,捨てないでください。

封筒がなければ,書面をどうやって入手したのか分からなくなりますが,封筒があれば,郵送されてきたことがわかりますし,封筒には,差出人の記載や郵便局の消印がありますので,何時,誰から書面が送られてきたのか分かります。

また,書面に作成者や作成日の記載がなく,作成者や作成日が分からないことがありますが,封筒があれば,差出人の記載や郵便局の消印により,書面の作成者や作成日を推測することができます。

封筒と中に入っている書面は,一体として証拠になりますので,封筒は必ずとっておきましょう。

【法律相談】弁護士の守秘義務

2015-05-07

1 弁護士には守秘義務がありますので,安心してご相談ください

法律相談のご予約の際,相談者の氏名や連絡先,相手方等関係者の氏名や,事案の概要をお聞かせいただいております。

また,法律相談の際には,契約書等の関係資料をお見せいただいております。

弁護士に相談する内容はプライバシーに関わるものですので,ご自身や相手方の情報を開示することや,契約書等の資料を見せることを躊躇される方も少なくありません。

しかし, 弁護士は,以下のように,守秘義務を負っておりますので,安心してご相談ください。

 

2 利益相反の有無を確認する必要があります

例えば,弁護士が相手方の相談を受けている場合,相手方から事件を受任している場合等利益相反にあたる場合には,弁護士は原則として職務を行うことはできません(弁護士法25条,弁護士職務基本規程27条,28条)。

弁護士が利益相反する事件について職務を行うことは,相談者や依頼者の利益を害するおそれがありますし,弁護士の職務執行の公正の確保,弁護士の品位と信用の確保の観点から問題があるからです。

そのため,法律相談を受ける際には,利益相反がないかどうかを確認するために,当事者や関係者の氏名などをお聞きかせいただいております。

 

3 法律相談で適切なアドバイスをするためには,正確な情報が必要です

法律問題は事案によって千差万別であり,具体的な事実や証拠の有無によって異なるため,一般論では,適切なアドバイスにならないことが通常です。

例えば,離婚の法律相談では,相談者から離婚できるかどうか聞かれますが,具体的な事実やどのような証拠があるのか分からなければ,大まかな見通しをつけることさえできません。

そのため,事実を正確に把握し,できる限り適切なアドバイスをさせていただくため,相談者の方には,具体的な事情をお話ししていただくと共に,契約書などの重要な書類や,手紙やメールなどの資料がある場合には,それらをお見せいただいております。

 

4 弁護士の守秘義務

弁護士法23条は「弁護士又は弁護士であった者は,その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し,義務を負う。但し,法律に別段の定めがある場合は,この限りではない。」と規定しており,弁護士は職務上知り得た秘密を保持する権利を有し,義務を負います。

また,日本弁護士連合会が定める弁護士職務基本規程23条は,「弁護士は,正当な理由なく,依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし,又は利用してはならない。」と規定しており,弁護士は依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らすことが禁じられているのみならず,これを利用することも禁じられております。

このように,弁護士には守秘義務がありますので,安心してご相談ください。

取扱業務案内 内容証明郵便の作成

2014-06-12

1 内容証明郵便とは

内容証明郵便は、郵便局が手紙の発送日と記載内容を証明してくれる制度です。普通郵便ですと、後日記載内容について争いになってしまうおそれがあるからです。相手に到達した日にちを証明してもらいたい場合には、配達証明を利用することになります。

内容証明と配達証明によって、文書の記載内容、発送日、到達日についての争いを防止することができます。

 

2 内容証明郵便を利用するケース

内容証明郵便は、通常、法的な争いがありお互いの権利関係をはっきりさせたいときに利用されます。また、意思表示をすることが法律上の要件になっているケースでは、内容証明郵便を利用することが一般的です。内容証明で意思表示をすると、後で訴訟等になったときに重要な証拠になるからです。

例えば、遺留分減殺請求をする場合、家賃滞納を理由に契約の解除をする場合、債権の消滅時効の完成を防ぐために債務履行請求をする場合などがあります。

 

3 内容証明郵便の出し方

内容証明郵便を出す場合は、内容証明を取り扱っている郵便局に行き、同じ内容の文書3通(受取人が1人の場合)と封筒を提出して郵送してもらいます。

また、インターネットを通じて郵便局が24時間受付を行うサービスを利用することもできます。電子内容証明郵便の制度です。この制度を利用すると、より手軽に内容証明を出すことができますが、予め登録を行う必要があります。

 

4 弁護士に依頼したほうがいいケース

内容証明の書き方には予め決められた形式があります。この形式に従ったものであれば、どなたでも出すことができます。

ただし、内容証明郵便は相手方にかなりのインパクトを与えるものですし、その後の交渉や訴訟に重要な影響を与える文書です。そのため、事案をきちんと分析し後々のことも見越した上で、どのような内容を記載すべきか、弁護士名で出すべきかなどを検討する必要があります。

ですから、内容証明でトラブルを未然に防止したい場合、交渉の際に相手にスキを与えないような内容証明を作成したい場合、訴訟の際に意思表示があったことを確実に証明できるような内容証明を作成したい場合など、効果的な内容証明を作成したい方は弁護士に相談することをおすすめいたします。

内容証明の作成をお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。

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