【相続】自筆証書遺言の方式

2016-03-18

自筆証書遺言は,遺言者がひとりで作成することができるため,手軽な方法であると思われるかもしれませんが,方式が厳格に定められているため,よく理解して作成しないと,遺言が無効となってしまうことがありますので,注意が必要です。

 

第1 自筆証書遺言の方式

自筆証書によって遺言をするには,遺言者が,その全文,日付及び氏名を自書し,これに印を押さなければなりません(民法968条1項)。

遺言者の最終意思であるかどうかを明確にする必要があるため,遺言は,民法に定める方式に従わなければ無効になります(民法960条)。

 

1 全文の自書

遺言者の真意に基づくものであることを保障するため,遺言のすべての部分を遺言者が自書する必要があります。

パソコンで作成した場合や他人が書いた場合には,自書したとはいえません。

 

2 日付

日付は,遺言作成時の遺言能力の有無や,内容の抵触する複数の遺言の先後(前の遺言は撤回,民法1023条)を確定するための基準として必要な要件です。

日付が特定される必要がありますので,年月の記載しかない場合には無効となりますし,「○年○月吉日」という日付の特定ができない記載は無効となります。

 

3 氏名

氏名は,遺言者本人の同一性が確認できる程度に記載される必要があります。

戸籍上の氏名と同一でなくても,遺言者との同一性が確認できれば,通称や雅号等でも有効と判断されることがあります。

 

4 押印

押印も,遺言者の同一性と真意を確認するための要件です。

使用する印章には制限がなく,認印や,指印でもよいとされています。

 

第2 加除変更の方式

自筆証書遺言については,遺言の偽造変造を防止するため,加除変更についても,厳格な方式を定めており,自筆証書中の加除その他の変更は,遺言者がその場所を指示し,これを変更した旨を付記して特にこれに署名し,かつ,その変更の場所に印を押さなければなりません(民法968条2項)。

加除変更が法律に定められた方式に従ってなされていない場合,原則として,加除変更がなされなかったものとして扱われます。

 

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