【離婚】離婚原因(配偶者の親族との不和)

2017-02-24

嫁姑の仲が悪い等,夫婦の一方と他方の親族との不和が原因で,離婚問題に発展することがありますが,配偶者の親族との不和を理由に離婚することはできるのでしょうか。

 

夫婦が離婚に合意する場合には離婚原因の有無にかかわらず,離婚できますが,夫婦の一方が離婚することに反対している場合には,最終的に離婚訴訟の判決で離婚が認められなければなりません。

判決で離婚が認められるには,民法770条1項の規定する離婚原因(①不貞行為,②悪意の遺棄,③3年以上の生死不明,④回復の見込みのない強度の精神病,⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由)がなければなりませんが,親族との不和の場合は,①から④にはあたりませんので,⑤の婚姻を継続し難い重大な事由があるかどうかが問題となります。

婚姻を継続し難い重大な事由とは,婚姻関係が破綻しており,回復の見込みがないことをいいます。

婚姻を継続し難い重大な事由があるかどうかは,①夫婦の意思(婚姻継続の意思があるか,関係修復の意思があるか等),②夫婦の関係(会話,交流,性的関係,喧嘩等の有無・程度),③夫婦の言動や態度,④夫婦の年齢,職業,健康状態等,⑤子の有無,年齢,子との関係,⑥婚姻期間,同居期間の長さ,⑦別居の有無や別居期間の長さ等具体的な事情を総合的に考慮して判断されます。

 

夫婦の一方が他方の親族と不仲になったとしても,それだけでは婚姻を継続し難い重大な事由にはあたらないのが通常です。

もっとも,夫婦の一方と他方の親族との不和が原因で夫婦関係が悪化し,回復の見込みがない状態になったときには,婚姻を継続し難い重大な事由にあたり,離婚が認められます。

例えば,妻が夫の親族と不仲になり,妻が離婚請求した場合,夫が自分の親族に加担したり,不和を解消する努力を怠ったりしたときには,婚姻を継続し難い重大な事由があると判断されることがあります。

 

また,親族との不和が原因で夫婦関係が悪くなり,不倫や浮気(不貞行為),暴力(DV),長期間の別居等,別の離婚原因が生じ,それにより離婚に至ることもあります。

 

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