【離婚】財産分与の請求期間(離婚の時から2年間)

2017-09-28

離婚に伴う財産分与は離婚後に請求することもできますが,財産分与請求には請求期間がありますので,請求期間を過ぎないよう注意しましょう。

 

一 財産分与の請求期間

1 離婚後2年以内

財産分与についての協議が調わないとき又は協議ができないときは,家庭裁判所に協議に代わる処分の請求をすることができますが,離婚の時から2年を経過すると請求できなくなります(民法768条2項)。
そのため,財産分与の調停や審判の申立ては離婚の時から2年以内にしなければなりません。
離婚後2年以内に申立てをしていれば,調停の成立や審判の確定が離婚後2年を経過してもかまいませんが,申立てを取り下げた時点で離婚から2年を経過していると再度の申立てができなくなるので注意しましょう。

なお,離婚後2年を経過している場合,財産分与調停ではなく,離婚後の紛争調整調停の申立てをすることは可能ですが,一般調停事件であり,調停が不成立になっても審判には移行しませんので,相手方が調停に応じない場合には,財産分与を受けることは難しいでしょう。

 

2 除斥期間

離婚の時から2年の期間は,消滅時効期間ではなく,除斥期間であると解されています。
そのため,時効の中断の規定(民法147条)や催告の規定(民法153条)の適用はありません。
ただし,財産分与契約が錯誤無効となる場合に民法161条(時効の停止についての規定)を類推適用する余地があるとする裁判例があります。

 

二 財産分与の協議・調停・和解成立後,審判・判決確定後の消滅時効

財産分与により,当事者の一方が他方に金銭を支払うことになった場合,金銭の支払をいつまで請求できるかについては消滅時効の問題となります。
財産分与の協議成立による場合には,民法167条1項により消滅時効期間は10年となります。
また,調停成立,審判確定,訴訟上の和解成立,判決確定による場合には,民法174条の2第1項により消滅時効期間は10年となります。

 

三 まとめ

財産分与請求は離婚後にすることもできますが,離婚後2年間が経過すると請求することができなくなります。
そのため,財産分与請求を考えている場合には,できる限り離婚と同時に財産分与についても解決しておいた方がよいでしょう。

 

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